◇昔のПсиニュース◇
(Псиニュースの過去ログです)

◇平成15年09月◇

09月25日:baroque、停止?
09月24日:Közi、初のソロシングルを発売
09月23日:C言語を楽しく学べるソフト「Mission C」
09月18日:清春ソロデビュー、そして。
09月16日:P2P

 


 

平成15年09月25日 baroque、停止?

 cali≠gariばっかり聴いています。こんばんは、Псиです。最近、とにかく無性にcali≠gariが聴きたくて堪らないのです。「第7実験室」を引っ張り出し、「第二実験室〜改訂版」を引っ張り出し、「グッド、バイ。」を引っ張り出し、「嘔吐」で頭を振りつつ「わずらい」でしんみりする、そんな生活を送っています。決して」が買えないのが悲しいわけではありません。そんな時期的に仕方が無い邪推をするヒトは、容赦なくシベリヤ送りです。
 そんなお金に困ったПсиが、今日も方々のサイトを見て回っていた時のことです。Псиのココロ強いお友達であるWWWCbaroqueのオフィシャルサイトが更新されたと教えてくれたので、見に行ってみました。すると、


baroque OFFICIAL WEB SITEはしばらくの間、閉鎖致します。


11/18.19日に、予定されておりましたCLUB CITTA' 川崎での
コンサートですが、都合により中止となりました。
ファンの皆さまには、多大なご迷惑をおかけいたしますことおわび申し上げます。

[>>baroque OFFICIAL WEB SITE]

 ・・・?シングル「我伐道(ガキドー)」でこの春デビューしたバロック改めbaroqueは、オサレ系の始祖といわれています。ヴィジュアル系にオサレもへったくれもあるかと突っ込みを入れる方がたまにいらっしゃいますが、オサレ系はおしゃれだからオサレなわけではありません。むしろ、古き良き日のヴィジュ像を今も追い掛けているヴィジュ好きにとっては、オサレというと気持ち悪い変なのを指すことがある為、迂闊に口に出さないことをお薦めします。
 ともあれ、(昔の配布や限定販売は除外して)「東京ストリッパー」で衝撃的な世界を見せつけ、オサレ系という良くも悪くも一時代を築いたbaroqueに、一体何があったのでしょう。上にある11月18・19日のCLUB CITTAでのライヴに加え、12月8日には名古屋、9日に大阪でのライヴが決まっていたのですが。

 こういう、表からはどうにも事情の見えない事件が起こった場合、頼れるのは2ちゃんねるです。そこに答えがあることはごく希ですが、とりあえず公式発表が出るまでの気休めくらいにはなる筈です。と、いうわけで、バロックスレを覗いてみると・・・

842 :Nana :03/09/25 19:50 ID:0lG7Vp2S
もしかして、、、解散??

843 :Nana :03/09/25 19:52 ID:Apu+iL1F
>342
晃が+60`太って外に出れなくなったとかじゃないの?

848 :Nana :03/09/25 20:11 ID:ju8H8L1n
私、ちょっと関係者なんですけど事情知ってます。
ぶっちゃけ今回は解散も冗談に終わらないと思います。
ライブ中止すると大体ファンの信頼落として解散に近づくってパターン、多いですからね。
気の毒だけどバロは今まさにそれ。

875 :Nana :03/09/25 21:05 ID:qrbHyfv7
怜が人格破壊とか
圭が薬中とか
晃がダイエット失敗とか
万ツクが性病発病とか?w

そんな漏れも心配でつ

 ・・・全然参考になりませんでした。スレの意見をまとめると、以前オフィシャルの掲示板が荒れた、メンバーによる暴行事件が原因だとか、デビューしても思ったよりぱっとしない数字を上げられなかったことが問題だったのではとか、デビューしたばかりで事務所が解散させる筈が無いとか、様々な意見が飛び交っています。
 掲示板が荒れてしまって閉鎖、というのはヴィジュ界隈ではよくあることですが、オフィシャルのサイトが止まることは滅多にありません。オフを期に止まったSADSのサイトの様に、解散や活動停止を連想するのは仕方の無いところです。

 Псиにとって、baroqueは今の所「東京ストリッパー」が全てです。その後のCDには(「スケベボウイ」を除いて)すべて付き合っていますが、あの「東京ストリッパー」の衝撃の種を自分達で踏み躙っている気がしてなりません。
 ただ、下手をすると再び化けるかもしれないという歪んだ期待も持っています。それは、「イロコイ」を聴いた時と同様の衝撃かもしれませんし、全く別物の衝撃かもしれません。そんな期待を勝手に抱いていられる限り、Псиはbaroqueの音源を追い掛け続けようと思っていました。思っていたのに

 結局なんだかわからなかったПсиは、とりあえず事の顛末をじっと見守ろうと思います。

 

平成15年09月24日 Közi、初のソロシングルを発売

 トリビアもKUNOICHIも見られませんでした。こんばんは、Псиです。軟禁所にふらふらしながら帰ってくると、「トリビアの種」が既に始まっていました。多少がっかりしながらも見ていたのですが、おさらいトリビアを見ていたら知っているのばっかりで、なんだか不思議な気分になりました。そんな前振りはさておいて、今日はヴィジュ絡みのお話です。
 みなさんは、MALICE MIZERのメンバーのその後をご存じでしょうか。MALICE MIZERといえば、SHAZNAと同時期にヴィジュアル系を世間に知らしめたバンド。凄まじい服装と圧倒的なコンセプトワークで一世を風靡するも、メンバー交代後はインディーズに戻り、ゴシック路線をひた走りました。
 2001年末に活動を休止してから、メンバーは各々の道を歩き始めました。ヴォーカルのKlahaはソロで活動、Mana様はバンド「Moi dix Mois」を組んだりユニット「Schwarz Stein」のプロデュースなどを手掛けたりと様々に活動をしています。そして、ПсиがアイしてやまないKöziは、Haruhiko Ashと一緒にEve of Destinyを結成。それはそれでいいのですが、これから予定されているライヴが

31 Oct. (Fri) : Sydney,Australia
at Candy's Apartment

o2 Nov. (Sun) : Wellington,New Zealand
at Indigo Bar & Venue

o3 Nov. (Mon) : Melbourne,Australia
at Inflation

[>>GIG Schedule 2003(Eve of Destiny)]

 ワールドワイドにも程があります。他にもドイツのゴス系音楽雑誌ASTANに掲載されたり、ポーランドで出たコンピレーションアルバム「X.Castle Party 2003」に参加したりと、アジアの島国は置いてけぼり。このままKöziは遠いヒトになってしまうのでは、と危惧していたところ、なんと11月26日にソロシングルを出すのだそうです。
 タイトルは「KHAOS/KINEMA」、それぞれに2曲入った2枚組のCDになるみたいです。また、このCDは普通には販売しないそうで、

[KHAOS / KINEMA] は2曲ずつ入ったCD2枚が一組になった作品です。商品は11月26日ごろの発送を予定しており、今回は予約販売となります。販売方法は郵便振替による直販のみで、現在のところは一般のCDショップ等ではお買い求め頂けません。なお商品のお届けは日本国内のみとなっております、あらかじめご了承ください。

[>>商品について<<FAQ(kozi.info)]

 ということです。これからどうなるかは判りませんが、欲しい方は取り敢えず通販を考えた方が良さそうです。
 実は、Köziの最初のソロ作品は、このシングルではありません。実は水無湖先生とコラボレーションを計り、「音響絵巻 十六夜の月」に付属しているCDに、10曲もの曲を収録しています。・・・実は、探してもみつからないしおかねがないしで、この本をまだ買っていません。発売当初はライカエジソンでインストアイヴェントまで行っていましたが、その辺のニュースは悔しかったので収集しませんでした
 ともあれ、今度のシングルを機に、十六夜の月も買ってみようと思います。できればEve of Destinyがどんな音を出しているのかも知りたいですが、それはちょっと難しそうですし・・・。

 Псиは、Köziに祝福を送ると同時に、Klahaのファンクラブイヴェントに一度姿を現したきりのYu〜kiの行方が気になって仕方がありません。

 

 無駄に工夫した参考書が嫌です。こんばんは、Псиです。参考書というか教本というか、そうした本で下手に工夫をしてあるものは、資料集としても半端なことが多いですし、教本としては腹立たしくて読めないことが多いですし。その気配りを違う所に回したらと思うことしきりですが、そうしたアイデアが売り上げの初速に回る今日も初心者の弱気なココロを掴んでいるのかもしれませんから、そうそう馬鹿にならないのかもしれません。
 さて、最近はプロジェクト・タイムマシンさんの様に、頑張っている教本が何冊か目につきます。Псиもどんな本なのか気になって、随分前に「萌え萌えうにっくす! UNIXネットワーク管理ガイド」を買ってみました。内容はかなり幅広く、易しい文体でBSDやLinuxの操作を知らないヒトにとってはうってつけだと思います。
 ただ、章建てが「第一萌」「第二萌」となっているのが涙を誘ったり、章の最初は必ず

ほむほむ.
動いてるね〜???

えっ
ホントに動いてた?

動いてるよ〜???
ちゃんと調べたの?
知らなぁい
はふはふ
それじゃあダメだよ.きちんとした手順で確証を得ないと
ログの調査とかも必要だよ

ほむ

[>>「UNIXネットワーク管理ガイド」初版第二刷 122ページ]

 といった会話になっていない会話で始まったり、「個人で制作したムービー」の注釈(同224ページ)に「ほしのこえ」や「GUNGRAVE」を絡めて17行2段の注釈が付いていたり、何かと脱力ポイントが多めです。実際、TCP/IPの基礎を簡単にさらっている(あくまで簡単に、ですが)など、この本を読めば自分でシェルスクリプトを組む様になる手前くらいまでは行けると思うのですが、ヒトの目がある所ではなんとなく読み辛いこの本、むしろ萌え要素で損をしている気がしてなりません。もっとも、Псиが萌えを理解していないだけかもしれませんけど。

 さて、学習用書籍の導入のハードルを下げようという試みと同じく、学習効果の得られるゲームというのも太古の昔から存在します。ファミコンには黎明期から「ドンキーコングJr.の算数遊び」と「ポパイの英語遊び」がありましたし、その後も東京書籍が小学生向けに算数ゲームを出したり、日能研がゲームボーイで電車の車内広告の問題集を出したり、「原作:赤川次郎 キャラクターデザイン:いのまたむつみ 音楽:小室哲哉」でお馴染みのエデュテイメントソフト「EMIT」がハードを問わず移植されていたりと、昔から細々と続いている分野です。
 そんな教育ソフトの世界に、素敵なソフトが登場しました。StackArtの制作した「MissionC」は、なんとストーリー仕立てでC言語を覚えられるソフトなんだそうです。既にアレさが漂うこのソフト、まずはストーリーを見てみましょう。

 西暦20XX年。一つの政権が、一つの悪により終焉を迎え、抑圧と支配による独裁が始まる。それに対抗すべく結成された反政府組織・エイダ。彼らのターゲットは、悪の中枢により掌握された政府のホストコンピュータ・アースラ。ライフラインを担うアースラを破壊・再生すべく、水面下での闘いが繰り広げられていた。
 ある日、主人公・北村友吾は、一人の少女と出会い、エイダに身を投じることとなる。エイダの任務を遂行するためには、C言語の習得が不可欠。友吾は何も判らぬまま、C言語の教育を受けることに…。

[>>MissionC製品情報(StackArt)]<

 わからないのはこっちです予告(要Flashプレーヤ)を見ても感じるのですが、妙に教育を全面に打ち出したつくりや無駄なスケールの大きさに、なんとなく80年代っぽさを感じます。レトロを狙ったものは、流行を越えてそこそこの市民権を得てはいますけど、これは単に古臭い様な気がします。
 とはいえ、文句ばかりは言っていられないので、体験版をプレイしてみることにしましょう。体験版を実行すると、まず予告編が始まり、その後タイトル画面が出てきます。「START」にカーソルを当てると「Mission 1 Mission 7 体験学習」というMission1なのか7なのか判らない表示が。その後、

MissionCゲーム画面

 この画面をベースに、ボコーダーを通した女性の声がC言語の記法を解説し始めます。それも、一人語りなのかと思ったら授業を受けているヒトと傍で教えるヒトの声が入ったりボコーダーの声がその会話を受けて喋っていたり、なんだかさっぱり判りません。そして、

たとえ改行しても;がなければ、2行を1つの処理として認識してしまいます。融通が利かないというか、頑固なんですね。

 行末の";"が頑固という解説を、Псиはあまり信用したくありません。この後も、printf関数の話からエスケープシーケンスの話に派生して・・・と思っていたら、エスケープシーケンスの話が終わらない内に、唐突にこんな画面が。

Mission1の体験は終了です。NextボタンをクリックするとMission7「ポインタ」に移ります。

 えええええ。その後ポインタ編が始まりますが、ポインタの仕組みを説明し、通常の変数とポインタ変数とで具体的にどう違うか見て見ましょう、というところで唐突に終了。確かに、簡単な記法と、Cの鬼門とされるポインタの両方を見せることによって有効かどうか判断してもらおう、という試みはわかりますが、左のメニューにある「まとめ」や「確認テスト」に全く触れずに評価させるのはあまりにもあんまりな気がします。
 また、プレイできる部分は放送大学の授業の画面を優しくして、声をそれっぽくした程度の印象しかありません。ぶっちゃけ、Flashと声を使ったオーソドックスな講義方法といった感じでしょうか。シナリオパートがどの様に絡むのか全くわかりませんし・・・というか、この調子で進んでいったとして、アースラやエイダはいつ出てくるですか?

 そんなStackArt、どうやら同時発売でもう一本ソフトをリリースしているみたいです。その名も「MissionJ」。Javaを学習できるそうなのですが・・・

 難しいJava用語はキャラクターと一緒に歌って覚えよう!
曲に合わせて重要単語を口ずさめば、知らず知らずのうちにオブジェクト指向プログラミングがわかっちゃう!

 その他にも、ストーリームービーやキャラクターの用語解説など、楽しく学べる要素がいっぱい!

[>>MissionJ製品情報(StackArt)]<

 ・・・。

 Псиは、StackArtにぶぶ漬けの様に生暖かい祝福を送信します。

 

平成15年09月18日 清春ソロデビュー、そして。

 こんばんは、Псиです。今更言うまでも無く、Псиはヴィジュアル系というカテゴリがなぜか好きです。アニヲタ並みに搾取され、特撮ヲタ並みに迫害され、プロレスヲタ並みに得た知識の無駄さが全開なヴィジュの界隈が、Псиは大好きなのです。
 もちろん、カテゴリは好きだけど要素は嫌いという様なことはなく、ヴィジュに属するバンドにはПсиの好きなバンドが多々存在します。もちろん嫌いなバンドも星の数ほど存在しますが、そちらに関してはそっと目を伏せてノーコメントです。

 さて、世界に数多といるヴィジュ好きのココロの中で、ひときわ異彩を放っていたのが「黒夢」でしょう。インディーズでは唸っていたり首を吊ったりと大活躍だった黒夢も、デビューを境にアングラ的カリスマから泣き系ソングの王者に転向。その後は実験を繰り返しながらロック色を増していき、最後はパンキッシュに化けて、その生涯を終えました。
 清春がその後「SADS」を結成し、いろいろと大活躍したことはヴィジュ寄りではないみなさんでもご存知だと思います。この3月に、清春の古巣である東芝EMIからユニバーサルミュージックに移籍、アルバム「13」をリリースしました。移籍後のお約束として、5月頃から立て続けにベスト盤やヒストリー・ヴィデオ、クリップ集などがリリースされたのですが、あまりの過去の栄光ラッシュぶりに勘違いするヒトが多数。これでSADSが終わるのでは、という心配は杞憂に過ぎない筈だったのですが・・・なんと、8月1日よりオフという名目で、SADSの公式ページが止まってしまいました。オフといえば、大体は長くても一ヶ月くらいの筈ですが、そもそも声高に「オフ」を主張する必然性が皆無ですし、公式ページの改装にそこまで時間がかかるわけがありませんし、といった事情から実質的な活動休止だと見られています。
 デビュー後の時間だけ考えると、黒夢が5年、SADSも5年。あろひろし先生の作品が8巻を越えたことがない様に、清春のバンド活動サイクルは5年、ということなのかもしれません。

 そんな清春も、10月30日にDVDシングルでソロデビュー。Dir en greyをはじめ、その後のヴィジュに多大な影響を与えた清春が、ついに独り立ちです。

 このDVDシングルには、1トラック目にプロローグ、2トラック目に新曲のビデオクリップが収録される予定。気になるその新曲は、清春自身が作詞・作曲からプロデュースまでも手がけ、これまでのようなロックなサウンドから歌を聴かせるサウンドへと進化しているとのこと。バンドのときとは違った一面を見ることができそう。

[>>[清春] DVDシングルでついにソロデビュー!(Yeah!!J-Pop!)]

 ふーん。大風呂敷具合にアレな笑みを浮かべつつ、ようやく前振りが終了です。上の記事の後半にありますが、黒夢がまたベスト盤を出すみたいです。それも、今度は

 また、黒夢のシングル集「黒夢コンプリート・シングルズ」が9/29(月)にリリースされる。全シングルとアルバム未収録のカップリング曲など、全25曲を収録した2枚組ベスト盤! 収録曲とジャケット写真は東芝EMIのサイトでチェックできます。

[>>[清春] DVDシングルでついにソロデビュー!(Yeah!!J-Pop!)]

 シングルズですまた東芝EMIのサイトをご覧になれば判るかと思いますが、1枚目はA面曲、2枚目はカップリングを収録したLUNA SEA方式。かつて出た二枚組のベスト盤「EMI 1994-1998 BEST OR WORST」ではアルバムヴァージョンで収録されていたシングル曲や、収録されなかったカップリング曲などが幾つかある為、割と美味しかった筈なのですが・・・。
 実は、今年の3月にシングルズが出ています。これはシングルのA面曲を集めただけのもので、「EMI 1994-1998 BEST OR WORST」と収録曲を比較した場合の差異はデビュー曲「for dear」の有無のみ。どうしてこんなCDが出たのか不審がっているところへ、今度はシングルズを買ったヒトを完全に蔑ろにするアイテムの登場です。ヴァージョンの差異や「for dear」のためにシングルズを買ったヒトも、鼻白んで購入拒否したヒトにも顰蹙を買うこと確実なこの展開、一体どういう意図があるのかПсиにはさっぱりわかりません。もはや今回のシングルズがCCCDであることなんて、霞んでしまう程のお話です。

 ヴィジュには、ヴィジュの線引きという厄介な問題があります。黒夢はいつまでヴィジュかとか、SADSはヴィジュかなどの問題を提起した挙句、最終的には「曲が良ければいいよ」と問題自体を放り投げるのが基本なのですけれど。
 黒夢に影響を受けたアーティストはたくさんいて、そうしたヒトたちは「また清春の真似か」と言われながらも、それなりに支持されています。でも、こうしたアイテムのリリースを見るにつけ、X JAPAN商法みたいというか、黒夢はもう終わったものなんだなあと思うことしきりです。

 Псиは、終わったものを素直に終わらせてあげないヒトに、鏡になりたくなる様な呪いを送信します。

 

平成15年09月16日 P2P

 コーンフレークごときでチカラが出るのなら。こんばんは、Псиです。Псиが早起きした朝にぼおっとテレビを眺めていると、ケロッグのコーンフレークのCMが流れることがあります。「トニー、力が出ないよお」「よおし、そんな時は・・・」そうして薦められたコーンフレークを競技中に食べた少年は、ホウレンソウを食べたポパイ並みに大活躍。どうでもいいですが、ビーチバレー時のトニー・ザ・タイガーはもっとちゃんと働くといいと思います。
 さて、そんなデータドレインをした後のタイガージョーもどきの話はさて置いて、今日は今更ながらにP2Pのお話です。RIAA(全米レコード協会)が違法に音楽ファイルを取り扱ったユーザを一斉に提訴したというお話は、みなさんもご存知でしょう。9月8日にRIAAが起こした提訴の件数は261件。しかし、今後数ヶ月以内に新たに数千件の訴訟を起こすかもしれないと、RIAAはいつものとおり強気です
 このニュースは、色々な意味で注目を浴びています。複製と持ち運びをできるだけ簡単に、というのがモットーだったマルチメディアコンテンツの考え方に影響を及ぼすかもしれませんし、ファイル交換という(用途によっては)グレーな仕組みに一石を投じることになるかもしれませんし、著作権云々というコトバが本当に一般ユーザに対する武器になったことを実感させたことで、ユーザの意識にも何らかの影響を及ぼしたかもしれません。

 RIAAが今回の提訴に踏み切るまでには、実にたくさんのステップを踏んでいます。ファイル交換が音楽CDの売上減少の要因だと声高に主張してきたRIAAは、ファイル交換のユーザに警告を繰り返してきました。1月には大学に対して3月には約300の企業に対して警告を行い、遂にはインスタント・メッセージを利用してユーザに直接警告を行ってきました。
 ですが、見せしめ的に何人かが告訴されたとしても、自分だけは蚊帳の外。それでもファイル交換を続けるユーザの中でもとびきりのヘビーユーザが、今回一斉に提訴されたわけですね。

 もっとも、

 RIAA会長のCary Shermanは、「復讐や懲罰が目標ではなく、ピアツーピアのユーザーに自分の保有しない楽曲の配信を中止させたいだけのことだ」と語っている。

[>>RIAA、261人のファイル交換利用者を訴える]

 というコトバにある通り、RIAAは恩赦プログラムを定めています。これは、今回の訴訟に際してあるアクションを起こしたら、訴訟を取り下げるというものです。そのアクションというのは、

  • 違法に複製されたファイルを利用したと、自ら申し出る
  • 違法に複製された作品ファイルの破棄
  • 公証宣誓供述書にサインし、同じ過ちを二度と繰り返さないと宣言

だそうですが・・・デジタルデータの破棄をどうやって証明するのか、Псиにはちょっとわかりません。ネット上の第三者が触れる場所からは削除する、ということでしょうか。
 また、この恩赦プログラムが有効になるのはRIAAの起こした提訴に対してのみで、のこのこと名乗り出たことでRIAAからは訴えを取り下げられても、他の企業から訴えられる可能性があるのです。結局、この恩赦プログラムに対して訴訟が起こるなど、まさに泥沼です。

 さて、そうして起こった訴訟も、同じく泥沼に陥りそうです。大体、IPの特定が個人の特定に繋がるとは限りません。家庭で1台のマシンを共有して使っている場合など、訴えられる個人と使用者が異なるケースが容易に考えられますし、最近流行の無線LAN環境だったりした場合は、個人の特定はまず不可能でしょう。
 また、KazAaのサービス料にDLを合法にする為の料金は含まれていないことを知らなかったというユーザもいて、話はますますややこしくなりそうです。
 こうしたユーザの多くは、恩赦プログラムの恩恵に預かるか、あるいは4月に訴えられた学生4人と同様に賠償金を支払って和解に持ち込むことでしょう。なにしろ、学生4人の和解の際の賠償金は12,000ドルから17,500ドル・・・すなわち150万円程度で済みましたし、今回の提訴での和解金は2,000ドルとされています。2十数万円あればDVD-BOXやDVD-BOXやDVD-BOXが唸るほど買えますが、次に挙げる戦ってみて負けてみた場合よりははるかにマシと言えるでしょう。
 潔く戦って潔く負け、罰金を支払う羽目になった場合、1曲あたり750ドルから15万ドルを請求されることになります。どういうレンジでしょう。今回は1,000曲以上をP2PでDLしたユーザが対象ですから、仮にマニアックなレーベルの曲ばかりですべてが750ドルで済んだとしても、1,000曲で75万ドル。日本円にしておおよそ9千万円の支払いが必要です。
 和解金を誰かが肩代わりした例もあるにはありますが、こうして捕まったヒト全員がそうした恩恵を預かることができるとは思えません。というわけで、変なものには手を出さないのがおすすめです。

 ここまでで、RIAAの一斉提訴に関してざっくりとまとめてみました。本当はここからが本題だったのですが、これ以上長くはしたくないので、駆け足で行こうと思います。
 みなさんは、ネットアークという会社をご存知でしょうか。メディアで取り上げられているP2Pの記事に目を通している方なら、名前を見たことくらいはあるのではないかと思います。この会社ではP2P FINDERというシステムを動かし、WinnyとWinMXのノードの集計を行っています
 集計結果は大変面白いものなのでご一読頂くとして、Псиの興味を引いたのが

 また、P2Pアクセス数のグラフがIXのトラフィックグラフに酷似しており、松本氏は「さまざまな調査結果でP2Pファイル交換ソフトがトラフィックに占める割合が大きいとの指摘があるが、実際に当社の調査結果でもIXのトラフィックの動きと酷似しており、何らかの影響を与えている」と推測している。

[>>ネットアーク、8月1日時点でのWinnyとWinMXの利用者数は56万ノード]

 という話です。IX(Internet eXchange)というのは、簡単に言えばプロバイダ同士の接続地点。各プロバイダはいずれかのIXに接続していることで、他のプロバイダ、ひいてはインターネットと接続できているわけです。すなわち、IXのトラフィックの動きがP2Pのトラフィックの動きと酷似しているということは、何らかの影響を与えているなんてレヴェルの話ではありません。IXのトラフィックをP2Pのトラフィックが底上げしているという、とてもハッピーな現状が見えてきます。
 このお話が、プロバイダがP2Pを制限する場合の根拠のひとつです。また、TCP/IPは声が大きいヒトが勝てるシステムなので、

 「昨年の夏頃、Bフレッツのユーザーから『通信速度が非常に遅くなった』とクレームがあり、調べたところ、それが特定の地域と時間帯に集中していることが分かった。そこでは、1%以下のユーザーが、ファイル交換ソフトにより通信量の6割をやりとりしていた」(ASAHIネット)。

[>>ファイル共有ソフトが光回線を圧迫?]

 という様に、少数のユーザに帯域を占有されるという現象が起こります。そうすると他のユーザは足を引っ張られ、公称の速度をあまりにも下回った実際の回線速度に不満を言うことでしょう。しかし、上の記事のASAHIネットの様に規約変更などで対処を行うと、お金を取ってるくせに利用方法を制限するやっぱり不満を言います。結局はP2Pを制御できる様なネットワーク機器を導入するか、バックボーンがバーストしない様にただただ機器の拡張を続けるか、かなりアレな二者択一を迫られることになるのです。場合によっては両方が必要だったりしますけど。

 結局長くなっちゃいました。というわけで、最近米国で起こったP2Pの法的なアクション、およびP2Pのトラフィックへの影響などについて軽く見てきました。Псиはファイル交換なんてあやしいことをしないのでどこまでも他人事ですが、実際はそうも言ってられないでしょう。
 これから本気でインターネットをライフラインとして定着させていく様ですけれど、インターネットは著作権管理もおぼつかないおかしなものを垂れ流すトラフィックとかで簡単に不安定になれる代物です。
 Псиは殊更「ファイル交換なんて駄目」なんて言うつもりはありません。日本で同様の提訴が起きたとして、槍玉に挙げられたヒトが「ネットランナーがWinny特集を組んだから」なんて言っても、たぶん孫社長は一銭も払わないでしょう。ユーザはそれだけのリスクを負うことを、自覚するべきだと思います。
 ただ、P2Pのトラフィックが帯域を占有するという話になると、個人責任の自覚なんて話をあっさり超えてしまいます。実際、そこはユーザには意識できない部分でしょうし。著作権を気にするユーザがいたとしても、常に全体の帯域の数%に絞ることを心がけているなんてユーザは、いったいどれだけいるのでしょうか。ユーザの意識が変わらない以上、システムやファイル、著作権を取り巻く諸々はどんどん面倒な方へ向かうでしょう。

 以上、自分起点の不具合が知らないところで波及などというエスポワール号に取り残されたヒト達並みの不幸は避けた方が良さげですよね、というお話でした。
 Псиは、廃盤になった音楽CDとかを欲しいヒトに提供する仕組みを作っているヒト達に祝福を送信するのと同時に、最後まで読んで下さった方虹色の祝福を送信します。

 


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