◇昔のПсиニュース◇
(Псиニュースの過去ログです)

◇平成15年08月◇

08月09日:Be a gothic-XXXII[未完成?不完全?]
08月04日:IQ測定サーヴィス
08月02日:Be a gothic-XXXI[ソフトクリームは夢の色]
平成15年08月09日 Be a gothic-XXXII[未完成?不完全?]

 というわけで土曜日恒例の「Be a gothic」、今日は三十二回目です。毎日一本読んだとしても一ヶ月は過ごせるくらいに続いた「Be a gothic」ですが、そんな暇なヒトがいる筈ないという思いの下に何の変哲も無くお届けします。反論厳禁
 「Be a gothic」では、古き良き日に取り残されたПсиが、バンギャの称号は古き良き日に閉じ込めたという背中の煤けたヒトに、優しく微笑みかけるコーナーです。行き着く場所は耽美
 なお、このレビューはПсиが思ったことを適当にフィルタリングしてお伝えしているだけなので、迂闊に鵜呑みにすると咽を火傷するおそれがあります。ならびに、日本語を文字形状のみで判別している方のご利用は、激しくお薦めしませんので悪しからず。

 さて、ヴィジュ系アイテムのかなりひどい商法の数々は、今までも幾つかお伝えしてきました。今日は、そうした数多の商法の中から、完全版商法についてお話しようと思います。
 たとえば、みなさんが発売をココロから待ち望んでいたCDがあるとします。それが、寡作なことで知られるアーティストの2年振りの新作でも、歌手に転向宣言した声優のニューアルバムでも、お好きに妄想してください。そのアルバムが予想以上の出来で、丁度地元に来たツアーにも参加して大盛り上がり。アルバム起点の展開の心地よさに余韻に浸っていたところへ、突如「新曲3曲追加、あの人気のアルバムが「完全版」としてリリース!!」という告知を見たら・・・どう思いますか?たぶん、そうそうポジティヴな感情は湧かないのではないかと思います。

 プレスを追加する度にをジャケット変更するのは当たり前、下手をすると平気で新曲が追加されるやくざなヴィジュの界隈では、こうした完全版商法もよく見かけます。最近の完全版商法の大手と言えば、なんといってもGARGOYLEでしょう。2000年の4月、Gargoyleは2年振りのアルバム「future drug/店頭盤」をリリース。「店頭盤」と銘打ってある通り、その後始まったツアー「未来薬」では「future drug/会場盤」を発売。ジャケットも曲順も違えば2曲が店頭盤と異なっているという、そこだけ考えると考えると割とアレなアイテムでした。
 しかし、これだけでは終わりません。現在、ショップへ行っても「future drug/店頭盤」はまず見つからないでしょう。代わりにあるのは「future drug/完全版」。これは、通常盤と会場盤を併せた上に2曲追加という、正にぐうの音も出ない展開を見せたのでした。
 もっとも、実はKIBAxKENTAROのダブルヴォーカル曲「ZIPANG」のヴォーカル配分が通常版・会場盤で異なる上、完全版にはヴォーカルが全部KIBAのトラックがあったり、ボーナストラックとして一部分だけ収録されていた「future drug」が、完全版では一曲目に収録されているなど、全部聴いて始めて判る遊びが満載。Псиは全部買いましたが、正直後悔していません。これは、完全版商法を銘打ちながらファンにも美味しかったという、大変稀有な例と言えるかもしれません。

 今日取り上げる「JILS」(読み方:じるず)の「TRUE SONGS」というCDは、最初は5月3日に発売されました。会場と一部インディーズショップで発売された、というインディーズのアイテムとしては割と当然な販売方法で5,000枚を売り切ったJILSは、7月30日に全国流通版として「TRUE SONGS 完全版」を発売しました。完全版なんだからちゃんと売ればいいものを、なぜか10,000枚完全限定だそうで・・・。
 思えば、4月のリリースラッシュでПсиが深刻なダメージを受けてしまったが為に、5月発売の「TRUE SONGS」は見逃していたのでした。直後に「TRUE SONGS 即完」という告知を見たが為に、悔しくてショップのJILS棚はなるべく避けていたのですが・・・「TRUE SONGS 完全版」を買おうとショップへ行くと、普通に「TRUE SONGS」が置いてありました。そういえば、「予約完売」というコトバで悪戯にヴィジュ好きを煽るのも、ヴィジュ的商法のひとつ。なんだかどうでもよくなったПсиは、とりあえず完全版だけ買いました。ですから、通常版との比較などの話を求められても、Псиは知りません

 ともあれ、早速聴いてみることにしましょう。パッケージはとても綺麗なつくりで、幸也お約束の覗き窓仕様。加えて、CDケースのブックレットは写真集、パッケージに付いているブックレットに歌詞が掲載されているという凝り様。その他、CDケースの色がSHAZNAのシングルみたいとか、ブックレットの遊び紙が頑張った同人誌みたいなど、突っ込もうと思えばいくらでもアレな突っ込みができますが、いい加減CDの話をしたいので置いておくことにします。もう遅いという突っ込みは無しです。
 というわけで、早速コンポにセットして聴いてみましょう。


TRUE SONGS[JILS]
 総合 :☆☆☆**
 楽曲 :☆☆☆☆*
 映像 :(判定不可)
 ネタ度:*****

 癒されます。紛うことなきヴィジュ的曲調ながらも、どれもちゃんとJILSの曲です。優しい曲も激しい曲も綺麗な曲もありつつ、すべてがちゃんと幸也テイスト。しばらくヴィジュから離れていたПсиにとって、D≒SIRE〜JILSはぽっかり開いた記憶の穴なのですが、そんなПсиでも「ああ、JILSだなあ」と安心できるくらいにJILSです。
 そういえば、JILSはいつまでも黒服を手放しませんが、世間的にはWaiveと並んでソフビらしく・・・ええと、確かにソフビの指す範囲はあまりにも曖昧ですけれど、両方が同居できる程のキャパシティは無い気がしますけど。

 アイテム的には全曲新録+新ミックスだそうですが、その辺りはオリジナルの「TRUE SONGS」を聴いていないのでなんともいえません。確か、立ち読みしたSHOXXの記事によると、新曲の為に曲順を並べ替え、新曲を意識して新録を行ったのだそうですが・・・新曲ってどれですか。Webで調べたところによると、どうやら新曲は3曲目の「夜曲」だそうです。・・・って、新曲を3曲目に入れて再構成したんですか。いえ、普通は最後とか最後前とかに持ってくるものではないかと。
 でも、この「夜曲」という歌、なんだかПсиの少なすぎる幸也ライブラリーの中では、かなり珍しい曲の部類に入る様な気がします。どこが、と訊かれても返答に詰まりますが、とりあえずAメロの感じは珍しいと思います。

 なんだか全然まとまりませんが、Псиは「TRUE SONGS」を普通に素敵だと思います。もっとも、だからといって後追いで5月に発売されたヴァージョンを買う気にはなれませんし、おそらくそういう買い方をするアイテムではないだろうことも、なんとなく予想がつきます。
 ともあれ、JILSは気になりつつも幸運にも前の版を買わなかったというヒトは、是非聴いてみると良いと思います。前の版を買ってしまっている方は・・・ええと、お好みで

 Псиは、JILSの楽曲に祝福を送ると同時に、完全版商法は勘弁です。

 

平成15年08月04日 IQ測定サーヴィス

 くらくらです。こんばんは、Псиです。Псиは昨日、ちょっと仮想幕張メッセまでおでかけしてきました。その所為でなんだかいろいろとぼろぼろな為、微妙に投げ遣りかもしれません。不満の声を挙げたヒトは、その口が塞がる前にシベリヤ送りです。

 さて、みなさんの「IQ」はどれくらいでしょうか。IQとはinteligence quotientの略で、一般には「知能指数」と呼ばれます。PSのゲームではありません。IQとは知能を数値化したものなのですが、推理判断能力であり、情報処理能力であり、学習能力である知能を数値化するということは、あとどれくらいでせつなさが炸裂するのかを数値で表すくらいに大変そうなことは判っていただけると思います。
 20世紀初頭、フランスのビネーさんとシモンさんは、特別な教育が必要なコドモを選り分ける為に、精神年齢を算出するためのテストを開発。そうして算出された精神年齢を年齢で割り、100を掛けたものがIQです。通常、精神年齢は年齢よりも若いのが普通とされているため、IQが100を越えるかどうかがひとつの尺度とされています。また、ビネー式は未成年に対しては有効ですが、大人に対しては多くの補正が必要という点から、年代で問題が分かれているウェクスラー式というのもあるそうです。
 一般に「高い方が良い」とされているIQですが、140を越えると急激に凡庸になるそうです。処理能力ばかりが高くなってしまうと、応用するチカラや発想するチカラなどの大切な能力が低くなってしまう可能性がある他、IQが20違うヒトとは会話が成り立たないという通説もあります。そういえば、主にマガジン辺りに掲載されているコミックなどで、IQ300の天才美少女という無茶な設定のキャラクタが出てくることがありますが・・・たしかに、ヒトとして大切なものをなくした様なのばかりな気もします。

 そんな複雑怪奇なIQの世界ですが、そんな小難しいことを言わなければ簡単にそれっぽい数字が出るため、人寄せコンテンツとしてIQを採用する企業はちらほら。そんな企業群に、アキュートエンターテインメントという会社が参戦する様です

株式会社アキュートエンターテインメントは2003年8月1日、IQをテスト感覚で診断できるゲームサイト「IQ診断・力脳」をオープンした、と発表した。

このサイトは大人を対象にしたもので、規則性、図形を中心としたパズル問題に答えることで、「得点」「平均点」「IQ」「ランキング」を結果として表示してくれる。

IQは、参加者のデータ、標準偏差、平均点に基づき、独自のアルゴリズムにより統計的に算出される。

 Webだと、採点や集計をキカイが勝手にやってくれるので、システムさえ構築してしまえば後は勝手に育つ、という利点がありますね。というわけで、このシステムがどれだけ悪意のある親たちに育てられているのかを見るべく、Псиもやってみることにしました。ただ、よくわからない検査にお金を払えと言われても困るので、まずは三問のみのサンプル問題を解いてみることにしました。Псиがプレイした時点で、サンプルの参加者は9,300人くらい、有料の方は100人足らず。・・・有料ユーザがサンプル参加者の1割を越えている辺りをどう考えるか、といった辺りに既に知能テストが始まっている様な錯覚を受けます。
 そして、肝心の問題ですが・・・
 ・・・
 ・・・
 ・・・ええと、解く方によって違うとは思いますけれど・・・簡単じゃありませんか、これ?いえ、知能テストと言って思い浮かべるこんなのに比べたら、眺めていれば解ける問題ばかりの様な気がするのですけれど。ちなみに、Псиの結果は・・・

総合評価      サンプルゲームでは評価は出ません
コメント      サンプルゲームではコメントは出ません
◇得点          100点
◇平均点        82点
◇IQ            114
◇ランキング    1位/9317人中

 たった3問で順位付けをするのは、とても乱暴な気がします。もっと詳しく知りたいヒトはお金を払ってください、ということなのでしょう。そんなことしませんけど
 世の中には様々なIQテストのWebサーヴィスが存在しますし、有名な企業でもソースネクストが参戦しています。もっとも、ソースネクストのIQテストは問題に答えさせておきながら「結果はメールで」と言い放つ素敵戦法を採用しているので、注意が必要です。
 それにしても、これでお金を取るのはちょっと乱暴な気がします。なんでもガストや不二家レストランにある端末でもプレイできるそうなので、どちらかというとそちらへの客引きなのではと思えなくもありませんけれど・・・いえ、無駄な邪推でIQが高まるのかはПсиにはわかりませんから、これ以上は変なことは言わないことにします。

 先程も言った通り、IQは高ければ高い方が良いというわけではなさそうです。IQと並んで、ココロの知能指数を計るEQという尺度もあるので、毒を食べるならお皿まで気質の方や、計算能力よりも優しさを誇りたいというヒトをはじめ、測定してみると面白いかもしれません。
 ただ、Webでのそうしたテストは汎用性が重視されているため、実際にペーパーで受けた場合と異なる結果が出ることが良くあるということをお忘れなく。

 Псиは、IQ測定の結果画面を5秒で閉じて微笑みながら振り返るくらいに強気でシャイなヒトに、ラベンダー色の祝福を送信します。

 

平成15年08月02日 Be a gothic-XXXI[ソフトクリームは夢の色]

 というわけで土曜日恒例の「Be a gothic」、今日は三十一回目です。二週も空いてごめんなさい。実は今週も今週で、先週までとは全く違う理由で書こうかどうかすごく迷ったのですが、そんな裏のお話はさておいて。

 「Be a gothic」では、黒服時代から黒服時代しか詳しくないПсиが最近のヴィジュのアイテムをレビュー、青春はヴィジュの清春と共に去っていったと虚空を見詰めるヒトに血糊のついた包帯を差し出しながら微笑返しをするコーナーです。
 なお、このレビューはПсиの価値観に依存しているため、同じアイテムに対するみなさんの評価とは多分に異なる可能性がありますし、迂闊に飲み込むと咽を火傷するおそれがあります。日本語を反射神経で理解している方のご利用は、おすすめしませんのであしからず。

 ヴィジュには定義がないということは、今までも散々お話してきました。そんな南極で氷漬けにされたアメーバの様なヴィジュアル系、いつまでも黒服ばかりが闊歩しているわけでもなく、主流の衣装や曲調は時代と共に変化しているのでした。Псиは最近、短調で曲を作ればヴィジュアル系というコトバを何かで聴きましたが、そのヒトの頭の中ではGLAY辺りでヴィジュの知識が止まってるんだろうなあと思うと、なんだかアレな微笑が止まらないのでした。
 そんなヴィジュの世界も、実はいくつかのカテゴリに分類されています。もっとも、親のワードが曖昧なら子のワードも曖昧なのは仕方が無いことで、カテゴリの分類基準もかなり曖昧。基準が曖昧なカテゴリに意味は無いと仰る方もいるかもしれませんが、ヴィジュとはえてしてそういうものだと思って頂ければ間違いはありません。文句を言うヒトはにっこり笑ってシベリヤ送りです。

 かつて、黒服で辛気臭い歌を歌うバンドばかりだったヴィジュアル系の界隈に、ちょっとした異変が起こったことがありました。色彩豊かなちょっと派手な普段着、全くそれっぽくない歌詞、儚さや切なさだけをそこはかとなく継承したといえなくもない曲調などを実装したバンドが急増したのでした。SHOXXやFOOL'S MATEなどでは、独自の雰囲気を持ったコテコテのメイクのバンドの中にほとんど素顔で普段着なバンドが登場、はっきり言って違和感の嵐でした。それらのバンドはソフトなヴィジュアル系、略して「ソフビ系」と呼ばれることになり、ヴィジュの新しい潮流として勢力を拡大していきました。
 ソフビが登場した背景やその影響については本当に長い話になりますので、ソフビの正しい後継者であるオサレ系を取り上げた時に、まとめてお話しようと思います。

 今日取り上げるのは、ソフビにカテゴライズされるらしいバンド「Waive」(読み方:うぇいぶ)です。Waiveはこの界隈ではかなり名の通ったバンドの筈ですが、Псиは雑誌や写真等でしか見たことがなく、音は全く聴いたことはありませんでした。アイテムが多そうで、どれから手を出すべきだか判らなかったというのがその理由でした。いつものパターンです
 しかし、7月23日にクリップ集「CLIPS」が発売されました。シングル曲は大体入っていそうなこのDVD、5曲入りで値段も\3,333とお手頃です。ヴィジュの醍醐味はクリップに端的に現れると思っているПсиは、WaiveデビューをCLIPSで飾ることに決めました。パッケージを開けると妙にポップな手描きイラストをあしらったライナーや、「わがままロミオ」「春色」といったちょっとアレな感じのタイトルに微妙に不安を感じつつ、DVDをPS2にセットです。


※注意

 もしもあなたがWaiveを盲目的にアイしていて、賞賛以外のコトバが冷静に見れないヒトだったら、この先は読まないことをお薦めします。

 ・・・忠告は、しましたからね?


CLIPS[Waive]
 総合 :☆****
 楽曲 :☆☆☆**
 映像 :☆****
 ネタ度:*****

 なんですかこれは。撮影機材や効果にはちゃんとお金がかかっていそう、という穿った視点はさておいて、なんというか・・・最初見た時には、前回の「Matina〜最終章〜」に続いて煉獄送りにしようかと思う程に嫌悪感を感じてしまったのでした。しかし、一回観ただけでそんな判断を下すのはいくらなんでもあんまりなので、何度も何度もリピート鑑賞。結果、Псиの感情になんとなく説明を付けられる様になりました。
 曲は普通に好きそうです。緩めなテンポの曲を中心に、雰囲気の良さげな曲が続きます。もっとも、ヴィジュか?と訊かれると全く頷けない上に、曲調は?と訊かれたら「古き良き日のソフビ」と答えるしかないですが、とりあえず曲に罪はなさそうです。あとは、メニュー画面で流れる謎ラップBUMP OF CHICKENのCDのシークレットトラックと似た様な匂いを感じました。以上、誉める点終了

 次は、どうしても気に入らなかった点。まずは衣装です。なんというか、あまりにも普通すぎてどうにも言うことができません。上瞼を塗っていればヴィジュなのかと問い質したいところです。また、映像も映像で、一曲目の「そっと・・・」は普段着で下町を歩いているのがメインというだけで開いた口が塞がらないのに、二曲目「バニラ」のクリップは竹林で演奏するメンバーの前で和服姿の女性二人がお茶を淹れているという、演奏シーンを無理矢理絡めたスガシカオの「8月のセレナーデ」のクリップの様な構成。幻想の対象であるヴィジュの年代が昔であればある程、脱力の度合いが上がることは必至です。
 映像は綺麗ですし、クオリティが悪いわけでは決してありません。ですから、ヴィジュだと思わなければ普通に観られるのですけれど・・・ええと、このコーナーの主旨は「どれだけ独自の世界観を構築できているか」なので、残念ながら低い評価を付けざるを得ません。そんな評価基準を忘れるくらいにとんでもない要素があるわけでもありませんでしたし・・・。ただ、本編ラストのCDTVの様なメッセージなどを観る限りでは、ファンサーヴィスは必要以上に旺盛そうなので、ライヴはきっと盛り上がって楽しいのかもしれません。Псиが行く機会はなかなか無さそうですけれど

 Псиは、とりあえずクリップのWaiveはもうおなかいっぱいです。

 


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